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遺言書のお話

2025年12月26日

相続人の中に連絡が取れない人がいるときはどうすべき?|遺産分割を進めるための実務対応と法的手続き

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

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相続人の中に連絡が取れない人がいるときはどうすべき?|遺産分割を進めるための実務対応と法的手続き



相続手続きを進める中で「相続人の一人と連絡が取れない」という問題は、決して珍しいものではありません。被相続人と長年疎遠になっていた、住民票が古いままになっている、海外に移住して音信不通など、その背景はさまざまです。しかし、相続手続きは原則として相続人全員の合意が前提となるため、誰か一人でも連絡が取れない状態が続くと、手続き全体がストップしてしまいます。本記事では、このようなケースで実際にどのような対応が可能なのか、法律上の手続きや実務上の注意点を詳しく解説します。



なぜ「連絡が取れない相続人」が問題になるのか?



相続が発生すると、まず行うべきは「遺産分割協議」です。これは相続財産を誰がどのように取得するかを相続人全員で話し合い、合意をもって分割内容を決定する手続きです。この協議には「相続人全員の参加と合意」が法的に求められています。



仮に一人でも連絡が取れない相続人がいた場合、その人が遺産分割協議に参加できないため、協議は成立しません。たとえ他の相続人全員が合意していても、形式的にも実質的にも無効となり、銀行預金の解約や不動産の名義変更などの手続きができないのです。



結論:不在者財産管理人の申し立てが可能



こうした状況に対して、法律では「不在者財産管理人」の制度が用意されています。相続人の一人が長期間行方不明で連絡が取れないような場合、その人を「不在者」として家庭裁判所に申し立てることで、「不在者財産管理人」を選任してもらうことが可能です。



不在者財産管理人は、行方不明の相続人に代わって相続財産の管理や遺産分割協議に参加することができる法的代理人です。これにより、他の相続人との間で協議を進めることが可能になります。もちろん、不在者の利益を不当に害することがないように、家庭裁判所の監督のもとで手続きが行われます。



不在者財産管理人の申し立て方法と手順



実際に不在者財産管理人を選任してもらうには、家庭裁判所への申立てが必要です。以下は一般的な流れです。



1. 相続人の調査・確定  

 戸籍を収集して、相続人が誰なのかを法的に確定させます。



2. 不在者の所在調査  

 住民票の除票、戸籍の附票、過去の住所履歴などを調べ、できる限り相手の所在を探します。



3. 申し立て書類の準備  

 申立書のほか、戸籍謄本、除票、所在不明の経緯を説明した理由書、不在者が相続人であることを示す証拠資料などが必要です。



4. 家庭裁判所への申立て  

 相続開始地を管轄する家庭裁判所に提出します。審理の結果、不在者財産管理人が選任されると、遺産分割協議を進められます。



不在者財産管理人の選任にあたっては、申し立て人が管理人候補者(通常は弁護士や司法書士など)を指定することもできます。また、選任された管理人は、分割内容について家庭裁判所の許可を得たうえで協議に参加します。



よくある誤解:連絡が取れない相続人は無視してよい?



「他の相続人だけで遺産分割協議を進めてもいいのでは?」という誤解は非常に多いですが、これは法律的に完全な誤りです。相続人の一人でも欠けている協議は無効であり、仮に協議書を作成しても、それをもとに銀行手続きや不動産登記などを進めることはできません。



また、後日その相続人が現れた場合には、協議のやり直しや遺産の再分配を求められる可能性があり、相続トラブルに発展するおそれがあります。最悪の場合、裁判に発展し、多大な費用と時間がかかることもあります。



実務での注意点:調査を尽くした証拠が必要



不在者財産管理人の申し立てにおいては、「どこまで調査をしたか」が重要なポイントになります。住民票の除票や戸籍附票を取得し、所在調査を尽くした記録を理由書として添付する必要があります。調査が不十分だと判断された場合、申し立てが却下されることもあるため注意が必要です。



また、不在者財産管理人の選任には数週間から数か月かかる場合があるため、相続開始後はできるだけ早く調査を開始し、手続きを進めることが望まれます。



専門家のサポート:行政書士・司法書士・弁護士の役割



連絡の取れない相続人がいる相続では、専門家の支援を受けることで手続きが格段にスムーズになります。たとえば、行政書士は戸籍の収集や所在調査、家庭裁判所への提出書類作成などを代行してくれます。司法書士は不動産登記の面で力を発揮し、遺産分割協議書に基づく名義変更などを担当します。



また、不在者財産管理人の候補者として弁護士が選ばれることも多く、相続人間での利害調整や、家庭裁判所とのやり取りにも強みがあります。専門家に依頼することで、相続人全体の手続き負担が軽減され、トラブルを回避しやすくなります。



まとめ:早期対応と法的手続きで相続の停滞を防ぐ



相続人の中に連絡が取れない人がいる場合、遺産分割協議は一時的にストップしてしまいますが、「不在者財産管理人」の制度を活用すれば、法的に手続きを進めることが可能です。最も重要なのは、早期に戸籍調査と所在確認を行い、必要に応じて家庭裁判所へ申し立てることです。



専門家の力を借りながら、手続きの正確性と迅速さを確保することで、相続人全員が納得できる形での円満な相続を実現しましょう。相続は感情的な対立を生むことも多いため、制度を正しく理解し、丁寧かつ誠実に対応することが、将来的なトラブルを防ぐ最大の鍵となります。

 


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