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遺言書のお話

2026年05月06日

80代の親を持つあなたへ──今すぐ始めたい「安心の相続準備」10のステップ

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

はじめに

「うちの親はまだ元気だから、相続の話なんて早い」
「縁起でもないことを言い出しにくい」
「何から手をつけていいか分からない」

相続遺言を専門とする司法書士として、私はこうした声を日々耳にします。でも実は、親が元気なうちに準備を始めることこそが、後悔しない相続の第一歩なのです。

2026年、アメリカの法律事務所Herbert Law Officeが公開した「高齢の親を持つ子世代がすべき10のアクションリスト」が注目を集めています。長寿化、医療の複雑化、財産管理の多様化──日本も全く同じ課題に直面しているからです。

この記事では、そのアメリカの事例を参考にしながら、日本の制度に即した「親が80代になったら子どもがすべきこと」を、司法書士の視点で詳しく解説します。

なぜ「80代」が重要なのか

統計的に見ると、認知症の発症率は75歳を過ぎると急激に上昇します。そして一度認知症が進行すると、遺言書の作成や任意後見契約の締結が法的に困難になります。

つまり、70代後半から80代前半が「本人の意思を尊重した準備ができる最後のチャンス」なのです。

「まだ元気だから」ではなく、「元気なうちだからこそ」準備が必要なのです。

親が80代になったら子どもがすべき10のこと

1. 遺言書の作成を促す

遺言書がないと、法定相続分による分割となり、家族間のトラブルの原因になります。特に不動産がある場合、共有状態が長引くと売却も管理もできなくなります。

公正証書遺言なら、本人の意思が明確に記録され、紛失や改ざんのリスクもありません。司法書士や公証人のサポートを受けながら、親の想いをしっかり形にしましょう。

2. 任意後見制度の活用を検討する

認知症になってからでは遅いのが、任意後見契約です。元気なうちに「もし判断能力が低下したら、誰に財産管理を任せるか」を決めておくことで、家族の負担が大きく軽減されます。

法定後見制度と違い、任意後見なら本人が信頼する人を自分で選べます。これは本人の尊厳を守る、非常に重要な仕組みです。

3. 医療・介護の意思を確認する

「延命治療を希望するか」「どこで最期を迎えたいか」──こうした話題は避けがちですが、いざという時に家族が悩まないためにも、元気なうちに本人の意思を確認しておくことが大切です。

エンディングノートや尊厳死宣言書などを活用して、本人の希望を記録に残しましょう。

4. 財産目録を作成する

親がどんな財産を持っているのか、子ども世代が把握できていないケースは少なくありません。

・不動産(土地・建物)
・預貯金(銀行名・支店名・口座番号)
・有価証券(株式・投資信託)
・保険契約
・借入金や保証債務
・デジタル資産(ネット銀行、暗号資産など)

すべてをリスト化し、重要書類の保管場所も共有しておきましょう。

5. デジタル資産の確認と承継準備

近年、見落とされがちなのがデジタル資産です。ネット銀行、証券口座、暗号資産、サブスクリプション契約、SNSアカウント──これらは通帳や証書がないため、家族が存在に気づかないまま放置されるケースが増えています。

IDやパスワードを安全に管理し、必要に応じて家族と共有する仕組みを作っておくことが重要です。

6. 不動産の名義と権利関係を整理する

相続時に最もトラブルになりやすいのが不動産です。特に以下のケースは要注意です。

・登記名義が古いまま(祖父母名義など)
・共有名義になっている
・境界が未確定
・抵当権が残っている

生前に測量や登記を整備しておくことで、相続後の手続きがスムーズになります。

7. 介護費用と老後資金を見積もる

親の老後資金が十分か、介護が必要になった時の費用をどう賄うか──現実的なシミュレーションが必要です。

在宅介護、施設入所、それぞれにかかる費用を把握し、必要に応じて親の資産の一部を現金化するなどの準備も検討しましょう。

8. 生前贈与の活用を検討する

相続税の基礎控除を超える財産がある場合、生前贈与を活用することで税負担を軽減できます。

年間110万円までの暦年贈与、住宅取得資金の贈与、教育資金の一括贈与など、さまざまな非課税枠があります。ただし制度は複雑なので、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

9. 家族で「これからのこと」を話し合う場を持つ

どんなに完璧な書類を揃えても、家族間のコミュニケーションがなければ意味がありません。

親の想い、子どもの不安、兄弟姉妹それぞれの立場──オープンに話し合うことで、相続が「争続」にならずに済みます。

「話しにくい」からこそ、第三者である専門家の同席が有効です。

10. 専門家のサポートを受ける

相続は法律、税務、不動産、金融など多岐にわたる知識が必要です。一つの視点だけでは最適な対策はできません。

司法書士、税理士、弁護士、ファイナンシャルプランナーなど、それぞれの専門家と連携しながら、家族にとって最善のプランを作り上げましょう。

アメリカと日本の共通点──「元気なうちに準備する文化」の大切さ

今回ご紹介したアメリカの事例と日本の状況には、驚くほど共通点があります。

それは、**「元気なうちに準備することが、本人の尊厳と家族の安心を守る」**という考え方です。

アメリカでは、エステートプランニング(遺産設計)が一般家庭にも広く浸透しており、専門家のサポートを受けながら計画的に老後と相続に備える文化が根付いています。

日本でも、ようやく「終活」という言葉が定着してきましたが、まだまだ「縁起でもない」と避けられがちです。

でも、考えてみてください。

遺言書を書くことは、死を意識することではありません。
「自分の人生を、自分の意思で締めくくる権利」を守ることです。

任意後見契約を結ぶことは、家族に迷惑をかけることではありません。
「大切な人に、大切な役割を託す信頼の証」です。

親が80代になったら、ぜひ一度、家族で「これからのこと」を話し合ってみてください。

専門家として、私たちがお手伝いします

私たち司法書士は、法律の専門家であると同時に、「家族の想いをつなぐ仕事」をしています。

・遺言書を作りたいけど、何をどう書けばいいか分からない
・任意後見制度について詳しく知りたい
・相続税がかかるか心配
・不動産の名義をどうすればいいか悩んでいる
・家族間で意見が割れていて、どう調整すればいいか分からない

どんな小さな疑問でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

初回相談は無料で承っている事務所も多くあります。一人で悩まず、専門家の力を借りてください。

まとめ

親が80代になったら、子どもがすべきことは以下の10点です。

1. 遺言書の作成を促す
2. 任意後見制度の活用を検討する
3. 医療・介護の意思を確認する
4. 財産目録を作成する
5. デジタル資産の確認と承継準備
6. 不動産の名義と権利関係を整理する
7. 介護費用と老後資金を見積もる
8. 生前贈与の活用を検討する
9. 家族で「これからのこと」を話し合う場を持つ
10. 専門家のサポートを受ける

どれも「元気なうちだからこそできること」ばかりです。

相続対策は、お金持ちだけの話ではありません。
すべての家族にとっての「安心設計」です。

そして何より、それは親への感謝と愛情の形でもあります。

今日から、できることから始めてみませんか?

▼参考記事(英語)
Top 10 Things to Do for Elderly Parents in 2026 | Herbert Law Office
https://www.herbertlawoffice.com/top-10-things-to-do-for-elderly-parents-in-2026/


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