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遺言書のお話

2026年05月23日

広がる「終活」の新しいカタチ~自治体主導の支援事業が続々スタート

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり


こんにちは。相続遺言専門司法書士です。

最近、各地で自治体が主体となった「終活支援事業」が次々と始まっています。今回は、川崎市、弘前市、藤沢市など先進的な取り組みを行っている自治体の事例をご紹介しながら、これからの終活のあり方について考えてみたいと思います。

急増する「おひとりさま」高齢者
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2050年には65歳以上の単身世帯割合が2割に達する見込みです。また、厚生労働省の調査では、現在すでに高齢者世帯の約65%が「ひとり」または「夫婦のみ」の世帯となっています。

実際に、藤沢市では昨年度、遺体の引き取り先がない事例が48件もあり、そのうち33件が60代以上でした。こうした現実を背景に、各自治体が終活支援に本格的に乗り出しているのです。

自治体による終活支援の具体例
川崎市「未来あんしんサポート事業」
川崎市社会福祉協議会が提供するこの事業は、以下の3つを柱としています。

生前の見守り(月1回の電話、半年に1回の訪問)
遺言作成支援・執行
葬儀・埋葬
入会金2万円、年会費9,600円、そして預託金60万円が必要ですが、累計で50人が契約し、問い合わせは増加の一途をたどっています。

「民間のサービスは費用が高く、頼んでいいのか見極めが難しい。自治体でこうしたサービスが始まるのをずっと待っていた」という利用者の声が印象的です。

弘前市「おひとりさま終活サポート事業」(2026年度開始予定)
弘前市社会福祉協議会は2026年度から以下のサービスを開始します。

無料の相談窓口
有償契約による「あずまし老いじたく」サービス
この有償サービスには、毎月の訪問や安否確認、入退院時の付き添い、死後の遺体引き取りや火葬、埋骨、各種手続きが含まれます。契約時の手数料2万円と死後事務の預託金40万円が必要ですが、社協が運営することで営利目的とせず、必要最低限の料金設定になっています。

藤沢市「終活相談窓口」と「情報登録事業」
藤沢市は4月に「終活相談窓口」を市役所本庁舎2階に開設しました。年齢を問わず、相続や葬儀などの相談に応じ、専門機関の紹介も行います。

さらに注目すべきは「情報登録事業」です。これは、緊急連絡先や「終活ノート」の保管場所を市に事前登録しておくもので、本人が最期を迎えた際に、市が関係機関からの照会に応じて情報を開示し、生前に望んだエンディングをサポートします。

登録者には登録証が発行され、市職員や民生委員による定期的な「見守り」も実施されます。

「終活」の意識は世代で大きく異なる
NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)の調査によると、全体の約8割の人が終活を「葬式や墓など亡くなった後のための準備」と捉えています。しかし、興味深いのは年齢を重ねるほど「人生の後半期を生き生きと過ごすための準備」とポジティブに捉える人の割合が高まる傾向にあることです。

定年後の自由時間は約11万時間にも及びます。これは現役時代の総労働時間(約8万6000時間)を大きく上回る膨大な時間です。この時間を自分らしく、不安なく使い切るための準備こそが、本来の「終活」の意義なのです。

司法書士としての所感
これらの自治体の取り組みを見て感じるのは、終活支援が単なる「死後の片付け」から、「人生の後半を安心して生き抜くための社会的セーフティネット」へと進化しているということです。

特に注目すべき点は以下の3つです。

公的機関が関与することで信頼性と継続性が担保される
民間サービスに比べて費用負担が抑えられる
相談から実行まで一貫したサポートが受けられる
ただし、これらのサービスを利用するにあたっては、以下の点にも注意が必要です。

預託金の管理方法や返還条件
サービス提供主体の法的位置づけ
遺言執行や死後事務委任契約の法的有効性
特に遺言書の作成については、専門家である司法書士や弁護士のチェックを受けることをお勧めします。

まとめ
「私が私でいるうちに」準備をすることの大切さを、多くの方が実感されています。身寄りがいない、または親族に負担をかけたくないという方にとって、自治体による終活支援は大きな安心材料となります。

80代の親を持つ40代の皆さまにとっても、ご両親の終活について早めに話し合い、必要に応じてこうした公的サービスの利用も検討されることをお勧めします。

終活は決してネガティブなものではなく、残された人生を自分らしく生き抜くための前向きな準備です。お住まいの自治体でどのような支援があるか、ぜひ一度調べてみてください。

ご不明な点や、遺言書作成などの法的手続きについてのご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。


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