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遺言書のお話

2026年06月02日

成年後見制度改正2025最新情報:80代の親を持つ40代が今知るべきこと

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

【目次】
1. 成年後見制度とは?基本をおさらい
2. 2025年民法改正案:終身制廃止の衝撃
3. スポット利用で何が変わるのか
4. 首長申し立て1万件突破が示す社会の現実
5. 「一生やめられない」は誤解?現場の実態
6. 80代の親を持つ40代が今すぐすべき3つの準備
7. よくある質問と専門家の回答
8. まとめ:制度改正を味方につける

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1. 成年後見制度とは?基本をおさらい

成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などによって判断能力が十分でなくなった方を法律的に守るための仕組みです。2000年にスタートし、すでに25年以上が経過しています。

家庭裁判所によって選ばれた「成年後見人」が、ご本人に代わって財産の管理や契約手続きを行います。後見人には弁護士や司法書士などの専門職のほか、親族が選ばれることもあります。

制度は本人の判断能力の状態に応じて3つに分かれています。

・成年後見:判断能力がほぼない方向け
・保佐:判断能力が著しく不十分な方向け
・補助:判断能力が不十分な方向け

しかし、この制度は利用率の低さが長年の課題でした。認知症高齢者が全国で443万人を超える一方、実際に制度を利用しているのは約26万人にすぎません。

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2. 2025年民法改正案:終身制廃止の衝撃

2025年5月26日、成年後見制度の抜本的な見直しを内容とする民法改正案が衆議院本会議で可決され、衆議院を通過しました。今後は参議院に送られ、今国会で成立する見通しです。

この改正の最大のポイントは、成年後見制度の「終身制」が廃止されることです。

これまで、成年後見は一度始めると、原則として本人が亡くなるまで後見人がつき続ける仕組みでした。たとえば、遺産相続の手続きのためだけに制度を利用したくても、その後ずっと日常的な財産管理まで後見人に任せることになってしまう。この「使いにくさ」が、多くの方の利用をためらわせてきました。

改正案では、現在の「成年後見」「保佐」「補助」という3本柱を抜本的に見直し、「補助」に一本化する方向性が示されています。これにより、必要な場面に限定して後見人のサポートを受ける「スポット利用」が可能になります。

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3. スポット利用で何が変わるのか

スポット利用とは、特定の手続きや契約に限定して成年後見人のサポートを受けられる仕組みです。

【スポット利用が想定される場面】
・遺産相続の手続き
・不動産の売却
・施設入所時の契約
・医療同意が必要な場合
・訴訟対応

たとえば、80代のお父様が認知症を発症し、相続手続きが必要になったとします。従来であれば、相続手続きのために成年後見制度を利用すると、その後もずっと後見人がつき続け、毎月の報酬も発生し続けました。

改正後は、相続手続きが完了すれば後見人の役割も終了できるようになります。これにより、必要な場面だけ専門家のサポートを受け、経済的負担も最小限に抑えられます。

本人の意思がより尊重される仕組みへと進化することで、制度利用のハードルが大きく下がることが期待されています。

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4. 首長申し立て1万件突破が示す社会の現実

成年後見制度の利用開始を、本人や親族に代わって自治体(市区町村長)が家庭裁判所に申し立てる「首長申し立て」が、2025年に初めて1万件を突破しました。

最高裁判所の統計によると、2025年の首長申し立ては1万139件に達し、全申立件数の約4分の1(23.7%)を占めました。制度開始時の2000年度にはわずか23件だったことを考えると、急激な増加です。

【首長申し立てが増加している背景】
・身寄りのない高齢者の増加
・親族がいても支援が見込めないケース
・家族関係の希薄化
・核家族化と少子高齢化の進行

首長申し立ては、身寄りがなかったり親族の支援が見込めなかったりする方を対象としたセーフティネットです。しかし一方で、「自治体の一方的な判断で利用を開始させられた」と訴えるケースも出ています。

この数字は、高齢化社会における「孤立」という深刻な社会課題を浮き彫りにしています。

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5. 「一生やめられない」は誤解?現場の実態

「成年後見制度は一度始めたら一生やめられない」——この認識は、必ずしも正確ではありません。

現行制度でも、保佐や補助については本人の同意があれば開始できますし、状況によっては終了することも可能です。ただし、成年後見(判断能力がほぼない状態)については、実質的に終身制として機能してきたのも事実です。

【制度に対する誤解と現実】
・誤解1:「一度始めたら絶対に終われない」
→ 現実:保佐・補助は状況により終了可能。成年後見も改正で柔軟化へ

・誤解2:「専門家に頼むと横領される」
→ 現実:不正件数の大半は親族によるもの。専門職の不正は全体の一部

・誤解3:「財産を全部取られる」
→ 現実:後見人の報酬は家庭裁判所が審査し決定。透明性は高い

メディアが専門職の不祥事を繰り返し取り上げることで、制度全体への不信感が広がっています。しかし統計を見ると、不正件数の大半は今もなお親族による事案が圧倒的に多いのです。

現場で実際に後見業務を担う専門家は、報道とは異なる実態を日々目にしています。多くの専門職は誠実に業務を遂行しており、制度は多くの方の生活を守っています。

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6. 80代の親を持つ40代が今すぐすべき3つの準備

親御さんが80代、ご自身が40代という世代の方々にとって、成年後見制度は「いつか」ではなく「いま」考えるべきテーマです。

【準備1:親の認知機能の変化を早期にキャッチする】
・物忘れが増えていないか
・同じ話を繰り返していないか
・金銭管理に不安が出ていないか
・重要な判断を先延ばしにしていないか

早期発見が、選択肢を広げます。判断能力がしっかりしているうちであれば、任意後見契約や遺言書の作成など、本人の意思を反映した準備が可能です。

【準備2:任意後見契約と遺言書の検討】
成年後見制度は「判断能力が低下した後」の制度です。一方、任意後見契約は「元気なうちに」自分で後見人を選んでおける仕組みです。

・任意後見契約:将来、判断能力が低下したときに誰にサポートしてもらうかを事前に決めておく
・遺言書:相続時のトラブルを防ぎ、本人の意思を確実に反映させる

この2つをセットで準備することで、認知症になった後も、亡くなった後も、本人と家族の意思が守られます。

【準備3:信頼できる専門家との関係構築】
いざという時に慌てて専門家を探すのではなく、元気なうちに信頼できる司法書士や弁護士と関係を築いておくことが重要です。

・初回相談は無料の事務所も多い
・セミナーや勉強会に参加してみる
・地域包括支援センターで情報収集する

「相談できる人がいる」という安心感は、それだけで大きな価値があります。

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7. よくある質問と専門家の回答

Q1. 成年後見制度を使うと、親の財産を自由に使えなくなりますか?
A1. 後見人は本人の利益のために財産を管理します。家族が自由に使うことはできませんが、本人のための支出(医療費、施設費など)は問題なく行えます。

Q2. 後見人の報酬はどのくらいかかりますか?
A2. 財産額や業務内容によりますが、月額2万円〜6万円程度が一般的です。家庭裁判所が審査して決定するため、不当に高額になることはありません。

Q3. 親族が後見人になることはできますか?
A3. 可能です。ただし、財産額が大きい場合や親族間に対立がある場合は、専門職が選任されることが多いです。

Q4. 成年後見制度を使わずに済む方法はありますか?
A4. 任意後見契約、家族信託、遺言書などを活用することで、成年後見制度を使わずに備えることも可能です。状況に応じて専門家にご相談ください。

Q5. 改正後、いつから新制度が使えますか?
A5. 民法改正案は参議院での審議を経て成立する見通しです。施行時期は成立後に決定されますが、数年以内には新制度がスタートする見込みです。

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8. まとめ:制度改正を味方につける

成年後見制度の改正は、「使いにくい制度」から「必要な時に必要なだけ使える制度」への大きな転換です。

80代の親を持つ40代の皆さんにとって、この変化は大きなチャンスです。制度の柔軟化により、経済的負担を抑えながら、親御さんの権利と財産を守ることができるようになります。

【今日から始められること】
・親御さんとの会話の中で、認知機能の変化に注意を払う
・任意後見契約や遺言書について、親子で話し合う機会を持つ
・信頼できる専門家に一度相談してみる

「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、早めの準備が家族の安心につながります。

制度改正という追い風を活かし、ご家族の未来を守る一歩を、今日から踏み出してみませんか。

参考記事:
https://news.yahoo.co.jp/articles/49847316c18a1af0ab5395c7b5d2512583f7a103
https://news.yahoo.co.jp/articles/62166a87dfc04b1a8bdd46625f58ecfc192339c8
https://news.yahoo.co.jp/articles/328d6eb65b7427df438d8b7b6180646833bedc4c

プロフィール:繁森一徳
(司法書士しげもり法務事務所代表司法書士)
岡山県出身。岡山大安寺高等学校卒業、関西学院大学法学部卒業。現在は、大阪市の天王寺・上本町を拠点に、相続・遺言・生前贈与・民事信託(家族信託)に特化した法的支援を展開。地域に根差した活動も行っており、天王寺区や東成区などの各区役所・区民センターなどで、無料相談会の開催実績多数。

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