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遺言書のお話

2025年05月17日

2億円の実家をめぐる相続トラブルから学ぶ、後悔しない“備え”とは?

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

※にぼにぼ濃い濃いこってりスープ

「税務署からの通知」が家族の平穏を壊した日──2億円の実家をめぐる相続トラブルから学ぶ、後悔しない“備え”とは?



【はじめに】  

「親の相続って、まだ先のことだと思っていました」  

これは、私がご相談を受けたあるご家族の言葉です。相続とは、いつか必ずやってくるもの。しかしその“いつか”は、ある日突然、しかも思わぬ形でやってくることがあります。  



今回ご紹介するのは、「税務署からの通知」をきっかけに、都内のカフェで起きた家族間の激しい争いの実例です。2億円の実家をめぐる6人兄妹と叔父との間で、まるでドラマのような出来事が起こりました。  



この事例をもとに、司法書士として高齢者やそのご家族を支援している立場から、「なぜ相続は“争い”に変わってしまうのか」、そして「どうすれば“家族の絆”を守れるのか」を、法律・感情・実務の3つの視点から解説してまいります。  



この記事が、相続の準備に不安を抱える方々にとって、少しでも参考となれば幸いです。



【事例の背景】  

平日の昼下がり、都内の閑静な住宅街にあるカフェ。穏やかな空気の中、生後まもない赤ちゃんが眠るテーブルで、突然、怒声が響き渡ります。  



「ふざけるなよ! この金額で売るしかないんだ!」  

「督促状が来てるんだ。あんたのせいで、こっちは迷惑してる!」  



声を荒らげていたのは、相続人である50代〜80代の兄妹たち。きっかけは、税務署から届いた“相続税未納”の通知でした。  



実はこの家族、被相続人である親が亡くなった後、7億円近い遺産(金融資産5億円、不動産2億円)を、6人兄妹と叔父が分割して相続していました。税理士のサポートのもと、相続税の申告も済ませ、すべてが順調に進んでいるように見えていたのです。  



ところが、半年以上経って税務署から届いた通知により、ひとりの相続人が相続税を納めていなかったことが発覚。しかも、相続税には“連帯納付義務”があるため、他の相続人の資産まで差し押さえの対象になりかねないという状況に。  



未納者は叔父。彼の言い分は、「もうお金がない」。すでに受け取った財産を使い果たしてしまっていたのです。



【共有名義の“実家”が唯一の救い】  

追い詰められた兄妹たちが最後に頼ったのが、“実家の売却”。  

実家は6人全員で共有名義として相続されており、想い出の詰まった家を残したいという気持ちから「とりあえず共有で」という判断をしていたものでした。  



不動産は通常、共有名義にすることが望ましくないと言われます。なぜなら、売却や処分には原則として共有者全員の同意が必要だからです。トラブルのもとになりやすく、あとあと揉める原因になることが多いのです。  



しかしこのケースでは、逆に「共有だったからこそ」売却による納税が可能となりました。もし叔父に金融資産だけを相続させていたら、既に使い果たされていた財産は回収不能だったかもしれません。  



兄妹たちは急ぎ、不動産会社を通じて入札形式での売却手続きを開始。ところがまたしても障壁が。叔父が、「この値段では安すぎる」と売却に反対したのです。  



共有名義の宿命──全員が売却に同意しなければ、処分できない。まさに“人質”のような状態でした。



【「持ち分だけでも売る」という覚悟が突破口に】  

膠着状態が続くなか、ある相続人がついに言い放ちます。  



「私は私の持ち分だけでも売却するわよ」  

「そうすれば、あなたも自分の持ち分しか売れない。価値は激減するのよ」  



不動産の共有持分は、単独でも売却が可能です。ただし、その市場価値は大幅に下がる(4分の1〜5分の1になるとも)ため、通常はあまり現実的な手段とはされません。  



しかしこの発言が、叔父に現実を突きつけました。  

「……わかったよ、もういい」  



こうして、実家は無事売却され、その売却代金から未納の相続税が完納されました。



【司法書士が読み解く3つの教訓】  



■教訓1:相続税の“申告だけ”で安心しない。納税完了までが本当の相続  

相続税の申告は、相続人が個別に行います。誰か1人が未納でも、他の人に連帯責任が生じる可能性があります。申告後には、相続人同士で「納税状況を共有・確認する」機会を持つことが非常に大切です。  



「うちは仲がいいから大丈夫」と油断することが、一番危険です。  



■教訓2:共有名義の不動産は、計画的に活用するべき  

今回のように、結果的に納税の“最後の砦”となるケースもありますが、基本的には「共有」はトラブルの温床です。  



相続が発生する前に、「不動産は誰が相続するのか」「売却の方針はどうするか」といった意思を、遺言や家族会議で明確にしておくことが重要です。司法書士としても、共有状態の整理や持ち分売却などの実務対応に多く関わっていますが、事前に準備していたご家族ほど、トラブルを回避できている実感があります。  



■教訓3:相続とは“思い出”をどう扱うかの問題でもある  

「家を残したい」「思い出を守りたい」その想いが、結果的に争いを生むことがあります。  

感情・財産・法律が交差するのが相続。だからこそ、“事前の対話”と“専門家の関与”が必要です。  



残された家族が争わずにすむように──。それは、親の世代が元気なうちにできる最大の思いやりかもしれません。



【司法書士として伝えたいこと】  

私は大阪市を拠点に、相続や高齢者支援を専門にする司法書士として日々ご相談を受けています。  

「まさか自分たちが争うなんて」  

「親のことを話題にするのは気が引けて…」  

そんな声をたくさん聞いてきました。  



けれど、相続の準備とは、「家族が、家族であり続けるための準備」です。  

そしてそれは、亡くなった方の“思い”を、どのように引き継ぐかの作業でもあります。  



相続は、いつか必ず訪れる人生の大きな節目です。  

後悔しないために、まずは少しずつ“話すこと”から始めてみてください。  

私たち専門家は、その一歩を支えるためにいます。



【まとめ】  

今回の事例から得られるメッセージは明確です。  



・納税の確認は必ず行う  

・共有名義の不動産には慎重になる  

・相続とは感情と実務のバランスを取る作業  



そして何より、「家族が壊れてしまう前に、準備を始めること」。  



争いのない相続を実現するには、時間と対話、そして正しい知識が必要です。  

私たち司法書士が、その橋渡しとなる存在でありたいと願っています。



――――――――――――  

司法書士しげもり法務事務所  

繁森 一徳(しげもり かずのり)  

大阪市にて相続・高齢者支援を専門に活動中  

高齢の親御さんをもつご家族、相続で悩まれている方へ  

「安心と納得の相続」を一緒に考えていきましょう。  


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