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遺言書のお話

2025年05月26日

「子どもに相続させず、私が多く相続したい」は本当に正解か?  ~未成年者がいる家庭でこそ知っておきたい相続の“落とし穴”と“最適解”~

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

※黄金のスープに鶏チャーシューぷかぷか

「子どもに相続させず、私が多く相続したい」は本当に正解か? 

~未成年者がいる家庭でこそ知っておきたい相続の“落とし穴”と“最適解”~




【はじめに】  

「子どもに財産を残しても、すぐには使えないし…それなら私が多めに相続して生活費に充てたい」  

これは配偶者を亡くされたばかりの方から、よく耳にするご相談です。



そのお気持ちは、心の底から理解できます。特に小さなお子さんがいるご家庭では、「子どもの養育や教育にかかる費用をまかないながら、自分も働けない状況が続く」など、現実的な不安が大きいものです。



しかし、相続というのは“気持ち”や“生活の都合”だけで進められるものではありません。民法、相続税法、家庭裁判所の手続、そして何より“家族間の信頼関係”という複雑な要素が絡み合っています。



今回は、相続人に未成年者がいる場合に起きやすいトラブルや制度上の注意点、そして「できるだけ損をしない」「争わない」ための分け方について、司法書士としての視点から丁寧に解説します。



【1. 未成年者が相続人になるときに必ず意識すべき“利益相反”とは?】



相続手続きで「未成年者が相続人になる場合」は、通常と異なる注意が必要です。



たとえば、夫が亡くなり、妻と1歳の赤ちゃんが相続人となった場合。法律上、未成年者は意思能力がないため、遺産分割協議には代理人を立てる必要があります。この代理人には、通常であれば親権者である母親がなります。



しかし――  

ここで問題になるのが「利益相反」です。



母親が多く相続するほど、赤ちゃんの取り分は少なくなり、逆に赤ちゃんに多く分ければ母親の取り分は減ってしまいます。これは明確に「相反する利益関係」ですね。このような場合、親権者である母親は、未成年の子どもの代理人にはなれません。



ではどうするのか?



ここで登場するのが「特別代理人の選任手続き」です。家庭裁判所に申し立てを行い、親権者とは別の第三者を“子の利益を代表する存在”として選んでもらいます。  

私の事務所でも、この特別代理人の申立てに関するご相談は年に何件もあります。実務的には書類の準備や家庭裁判所とのやり取りが必要ですが、それ以上に大切なのが「中立的で納得感のある分け方の提案」です。



【2. よくある“善意”の誤解:「私が多めにもらった方が子どものため」】



「自分が多めに相続すれば、その分子どもの生活費や教育費に充てられるのに…」  

確かに、一見すると合理的な考えです。



ですが、ここで立ち止まって考えてほしいのは、**「その分け方を子どもが将来納得するか」**ということです。  

相続は、亡くなった人の“最後のメッセージ”とも言える重要な節目。将来、子どもが成長して、相続の内容を知ったときに、「なんでこんなに不公平だったの?」と疑問を抱けば、それが法的トラブルのきっかけになる可能性もあります。



実際に、「遺産分割協議の無効」を求めて訴訟になるケースでは、「当時は何も言わなかったけど、やっぱり納得できない」という背景が少なくありません。



特に未成年者が相続人になる場合には、家庭裁判所の関与が必須になるため、「母親が生活のために多く相続する」という希望が、必ずしも通るわけではないのです。



【3. 相続税がかかりやすい“普通の家庭”が増えています】



「うちは資産家じゃないし、相続税なんて無縁だと思っていた」  

そうおっしゃる方ほど、思いがけない税負担に驚かれることがあります。



実は、若年で亡くなった方や働き盛りの方が亡くなった場合、以下のような事情で相続税が課税されやすくなります。



(1)住宅ローンが団信で完済され、不動産が丸ごと課税対象になる  

(2)高額な生命保険金が支払われる  

(3)死亡退職金が一括で支給される



これらはすべて、相続税の課税対象になります。特に団信によるローン免除は、「実際には負債がない」とみなされるため、相続税上は“高額な資産”としてカウントされてしまうのです。



【4. 「未成年者控除」と「配偶者の税額軽減」で税負担は軽くなる】



では、相続税を少しでも軽くするために使える制度はどんなものがあるでしょうか?



まずは「未成年者控除」。これは、相続人が未成年である場合に、18歳になるまでの年数×10万円分が相続税から直接引かれる制度です。たとえば10歳のお子さんなら、80万円の控除が可能。さらに控除しきれなかった分は、扶養義務者(通常は配偶者)の相続税からも差し引ける“プレゼント制度”もあります。



次に「配偶者の税額軽減」。これは、配偶者が1億6000万円まで非課税で相続できるという非常に大きな特例です。条件を満たせば、配偶者が財産を多く相続しても、相続税がまったくかからないケースもあります。



この2つを組み合わせることで、「未成年者に控除が使い切れる程度の財産を相続させ、残りを配偶者が受け取る」形にするのが、実はもっとも税負担を抑えられる合理的な分け方といえます。



【5. 相続税“0円”でも申告が必要なケースとは】



ひとつ注意していただきたいのが、「配偶者控除を使うには、相続税の申告が必要」という点です。



つまり、「税金がかからないから、申告もいらないよね」と思ってしまうと、大きな落とし穴にはまる可能性があります。



配偶者控除を活用するには、きちんと相続税の申告書を提出しなければなりません。申告を怠ると、非課税の特例が適用されず、結果的に多額の税金を払うことになることもあるため、専門家による確認が欠かせません。



【6. 極端な“偏り”が、将来の争いを生む】



最後にお伝えしたいのは、「極端な偏りは、トラブルのもとになる」という現実です。



相続税を考慮すると「配偶者が多く相続する方が得」と感じるかもしれませんが、その分け方が、将来的にお子さんから疑問を持たれるようであれば、結果的にはご家族の信頼関係が壊れてしまう可能性もあります。



相続において本当に大切なのは、「残された家族が納得し、安心して生活を続けられること」です。そのためには、法律・税金・気持ち、すべてのバランスを考慮する必要があります。



【まとめ】  

 


・未成年の相続人がいる場合は、特別代理人が必要になるケースがある  

・配偶者が多く相続することの“生活上のメリット”と“法的なリスク”の両方を理解する  

・相続税は、思わぬかたちで発生することがあるため、控除制度を正しく活用する  

・最適な分け方は、「未成年者の控除を使い切り、配偶者控除で税負担をゼロにする」  

・最終的には、「争わない相続」「納得できる分け方」をめざすことが何より大切



司法書士しげもり法務事務所では、こうした相続手続きや特別代理人選任のサポートも多数行っております。「うちはまだ大丈夫」ではなく、「今のうちに備えておく」ことが、家族を守る第一歩です。



どんな小さなお悩みでも、どうぞお気軽にご相談ください。

 


 


 


――――――――――――――  

司法書士しげもり法務事務所  

代表 繁森 一徳(大阪市)  

親切・丁寧・確実な対応で、高齢者とご家族の“相続と終活”を全力サポートしています。  

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