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遺言書のお話

2025年07月02日

実家を兄弟で共同相続したら、固定資産税はどうなる?評価額2000万円のケースから学ぶ、相続とお金の現実

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

※家系あわあわてんこ盛り

実家を兄弟で共同相続したら、固定資産税はどうなる?評価額2000万円のケースから学ぶ、相続とお金の現実



【はじめに】

親が亡くなり、残された実家を兄弟姉妹で共同相続するというケースは、今の日本ではごく普通にあります。



とくに、地方や郊外においては「家と土地」が相続財産のほとんどを占め、現金や預貯金があまり残っていないというご家庭も少なくありません。そうなると、「とりあえず共有名義で相続登記だけしておこう」となることも多いでしょう。



しかし、そこに意外な落とし穴があるのです。



本記事では、実際に多くの方が直面する「実家を兄弟で共同相続したとき、固定資産税はどうなるのか?」という疑問に対して、司法書士としての視点から、制度のしくみ・金額の計算方法・トラブル事例・具体的な対策まで、わかりやすく解説します。



【そもそも固定資産税とは?】

固定資産税とは、土地や建物といった「不動産」にかかる税金で、毎年1月1日時点の所有者に対して、市町村から課税されます。



対象となるのは、主に以下の3つです。

・土地(宅地・田畑・山林など)

・家屋(住宅や店舗など)

・償却資産(事業用設備など)



この税金は、自治体が提供する行政サービスの財源にもなっており、公共施設の整備や福祉サービスの充実にも使われています。



ただし、固定資産税は「所有しているだけで発生する税金」ですので、たとえ家を使っていなくても、空き家であっても、必ず納めなければならないという点が特徴です。



【共同相続とは?】

「共同相続」とは、相続人が複数いて、1つの不動産を「共有」の形で受け継ぐことをいいます。



例えば、亡くなったお父様の自宅を、長男と次男が半分ずつ相続した場合、その家は「2分の1ずつ」の持分で共有されている状態になります。



これは、法律上の「共有」という関係であり、不動産登記簿にも「Aが2分の1、Bが2分の1を所有」と記載されます。



このような状態では、家を売る・貸す・リフォームするなどの際には、共有者全員の合意が必要になります。また、日常の管理(修繕や清掃など)についても、原則として全員の合意が求められます。



【評価額2000万円の実家を相続した場合の固定資産税】

では、評価額が2,000万円の実家を兄弟で相続した場合、実際にどれぐらいの固定資産税が発生するのでしょうか。



固定資産税の計算は、以下のような流れで行われます。



① 固定資産評価額をもとに「課税標準額」が決まる  

② 課税標準額に対して、標準税率1.4%をかける  



特例がないケースでは、評価額と課税標準額が同額とされるため、計算式は次のようになります。



2,000万円 × 1.4% = 年間28万円



つまり、相続人の1人が単独で所有していれば、年間28万円の固定資産税を納めることになります。



もしこれを、兄弟2人で共有しているならば、1人あたりの負担額は14万円ということになります(ただし、都市計画税などが加わる場合もあります)。



【固定資産税の「連帯納付義務」とは?】

この段階で、多くの方が誤解しがちなのが、「自分の持分分だけ払えばいい」という考え方です。



しかし、法律上は少し異なります。



地方税法第10条の2では、「共有物についての固定資産税は、共有者全員が“連帯して”納付する義務がある」とされています。つまり、誰か1人が支払わなかった場合、残りの相続人にその分の納税義務が自動的に移るのです。



例えば、長男と次男が半分ずつ持っている家について、次男が「自分は使っていないから払わない」と言い出して支払いを拒否した場合、市町村は長男に対して全額(28万円)の支払いを請求してくることになります。



そして、長男が立て替えた14万円については、次男に対して「求償」するしかありません。



【トラブル事例:「払ってくれない」】

実務では、この「固定資産税の負担をめぐるトラブル」が非常に多く見られます。



例えば、以下のようなケースです。



――両親が亡くなり、実家を兄弟2人で相続。兄が実家に住み、弟は遠方に住んでいる。弟は「使っていないから払わない」と主張し、固定資産税を支払わなくなった。兄はやむなく全額を肩代わりしたが、何度連絡しても話が進まない。



このような状況に陥ると、兄としては「どうして自分ばかりが負担しなければならないのか」という不満が募り、関係が悪化することもしばしばです。



【求償権の行使とは?】

こうしたトラブルを解決する手段の一つが、「求償権」の行使です。



これは、誰かの代わりに支払ったお金について、法律上その人に返還を請求できる権利です。固定資産税のような「共有財産に関する負担」であれば、相続人どうしでも求償が認められます。



ただし、実際に求償するには、

・支払ったことの証拠(領収書や通帳の履歴)  

・持分割合が妥当であることの説明  

・場合によっては調停や訴訟の手続き  

が必要になることもあります。



感情の対立が深いと、弁護士を通じて請求するケースもありますが、費用が高額になることもあるため、慎重な判断が求められます。



【解決策:共有よりも「単独所有」「売却」を検討】

司法書士として、多くの相続案件に関わる中で感じるのは、「最初から共有にしなければよかった」という声が非常に多いということです。



確かに、時間がない中で「とりあえず共有登記だけしておこう」となる気持ちはよくわかります。しかし、共有は管理も判断も全員の合意が必要なため、将来的に大きな負担となることが少なくありません。



そこでおすすめしたいのが、

・不動産を売却し、現金で分ける  

・1人が買い取って、単独名義にする  

・使用予定のある1人が所有し、他の相続人には代償金を支払う  

といった方法です。



これらは「遺産分割協議」の段階で検討する必要があるため、相続が発生したらできるだけ早く専門家に相談されることをおすすめします。



【まとめ】

相続した実家が評価額2,000万円だった場合、固定資産税は年間約28万円発生します。兄弟で共有する場合も、法律上は「連帯して支払う」義務があり、誰かが払わなければ他の人が全額を負担することになります。



さらに、求償権による請求が可能とはいえ、現実には時間も手間もかかります。兄弟間でのトラブルを避けるためにも、「共有」よりも「分割」や「単独所有」を基本とし、慎重に遺産分割を行うことが大切です。



相続登記はもちろん、「その後どうするか」を見据えたアドバイスこそが、司法書士の本当の役割。実家の相続でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。



――司法書士しげもり法務事務所 

代表司法書士 繁森 一徳


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