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遺言書のお話

2025年11月02日

5年前から毎年100万円の贈与。相続税はかかる?──40代が知っておきたい「相続税と贈与税」改正の落とし穴

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

※ストライク軒!チャーシューねぎまみれ

5年前から毎年100万円の贈与。相続税はかかる?──40代が知っておきたい「相続税と贈与税」改正の落とし穴


 


【はじめに】


80代の親を持つ40代の方にとって、「親のもしも」は避けて通れない現実です。そしてその時に必ず向き合うことになるのが、「相続」と「贈与」の問題です。


「親から生前にお金をもらっていたけど、税金はかからないって聞いていたし…」


このように思っている方は多いのではないでしょうか?特に「年間110万円までの贈与は非課税」と聞けば、安心してしまいますよね。しかし、令和5年度の税制改正により、“過去に非課税で贈与を受けたお金”も、実は相続税の対象になる可能性があるのです。


今回は「5年前から毎年100万円の贈与を受けていた」という実例をもとに、相続税が本当にかかるのか、今後どう備えるべきかを司法書士の視点で丁寧に解説します。




【事例の概要:3500万円の相続と500万円の生前贈与】



今回の事例は以下の通りです。





  • 被相続人(父):2025年に死亡



  • 相続人(子):1人のみ



  • 相続財産:現金・預金など合計3,500万円



  • 生前贈与:2020年から毎年100万円ずつ、合計500万円




一見すると、年間110万円以下の贈与なので、贈与税は非課税。相続財産も3,500万円なので、基礎控除(3,600万円)内に収まっていて、相続税もかからない──そう思われるかもしれません。



しかし、ここに落とし穴があります。





【生前贈与加算とは?】



税務上、「生前贈与加算」という制度が存在します。これは、相続開始前の一定期間内に受けた贈与を、相続財産に加算して相続税を計算するというものです。



この制度の目的は、亡くなる直前に財産を贈与して相続税を回避することを防ぐためのものです。



以前までは「亡くなる3年前まで」が加算の対象期間でしたが、令和5年度の税制改正により、なんと「亡くなる7年前まで」に拡大されました(段階的に適用されます)。



つまり、2025年に亡くなった場合、2022年以降の贈与が加算対象となります。さらに将来的には、2027年以降、過去7年分すべてが対象となる見込みです。





【ケースの分析:相続税がかかるか?】



今回のケースでは、2020年から5年間、毎年100万円(合計500万円)の生前贈与がありました。



2025年に相続が発生した場合、2022年~2025年の3年間分(計300万円)が加算の対象になります。したがって、相続財産3,500万円+贈与加算300万円=課税対象額3,800万円になります。



基礎控除は、3,000万円+600万円×相続人の数(今回は1人)=3,600万円。



この場合、3,800万円-3,600万円=200万円が課税対象となります。



相続税の最低税率は10%なので、およそ20万円の相続税が発生する可能性があるのです。



※注:2027年以降に亡くなった場合、7年間分の500万円すべてが加算されるため、3,500万円+500万円=4,000万円 → 課税対象400万円 → 相続税40万円という計算になります。





【よくある誤解】



「年間110万円以下なら贈与税はかからない=相続税にも無関係」



これは間違いです。贈与税と相続税は別の税法に基づいており、非課税の贈与であっても、相続税の計算には加算される可能性があります。



また、「通帳を子ども名義にしておけば安心」と考える方もいますが、実際に管理・使用していたのが親であれば、それは“名義預金”と判断され、相続財産に加算されることもあります。





【司法書士として伝えたい、相続税対策の基本】



税理士ではない私たち司法書士も、相続の実務の現場で、多くのご家族の事例に接しています。そのなかで、実感することがあります。



「早めの準備が何よりも節税になる」ということです。



では、今からできる現実的な対策とは?



加算対象にならない人へ贈与する

→ 生前贈与加算の対象は基本的に“法定相続人”です。したがって、孫やお嫁さんなどに贈与することで、将来的な相続財産に加算されない可能性があります。



相続時精算課税制度を使う

→ こちらは、贈与時に税金を一括で精算し、後は相続時にまとめて清算する制度です。加算対象から外れるメリットがあります。ただし、令和6年以降は基礎控除110万円を超える部分が相続財産に加算されますので注意が必要です。



非課税贈与制度を活用する

→ 教育資金・結婚資金の一括贈与など、特定目的の贈与は一定の非課税枠が認められています(最大で1,000万円以上)。



早めに贈与を始める

→ 7年より前に贈与を始めておけば、加算対象外になります。



資産の“見える化”をする

→ 財産目録を作っておき、親子で共有することが、贈与や相続のトラブルを未然に防ぎます。





【感情面と実務面の両立が大切】



相続や贈与の話は、どうしても“お金の話”になりがちで、親子間でも避けられやすいテーマです。しかし、それを避けたまま時間が経てば、将来、思いがけない税負担やトラブルにつながってしまいます。



司法書士の立場から、私は「感情と実務のバランスをとる」ことの大切さをお伝えしたいと考えています。



特に高齢の親御さんが元気なうちに、家族で相続や贈与についてオープンに話せる環境を整えること。それが、家族の安心を守る第一歩です。





【まとめ】



「年間110万円の贈与は非課税」──それは贈与税の話。



相続税の計算では、相続開始前7年間の贈与が加算される可能性がある──これが、今のルールです。



今回のように「5年前から毎年100万円」贈与を受けていた場合でも、加算期間内であれば相続税の課税対象になり得ます。



制度が変わりつつある今、相続・贈与の情報を“知っておく”だけでも、大きな備えになります。



相続や贈与について少しでも不安があれば、ぜひお気軽に司法書士しげもり法務事務所までご相談ください。ご家族が安心できる相続と暮らしのサポートを、全力でお手伝いします。





司法書士しげもり法務事務所

大阪市天王寺区の相続・高齢者支援に強い司法書士

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