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空き家問題は“他人事”じゃない!所有者不明になる前にすべき5つのステップ【親が80代の方へ】
こんにちは。司法書士の繁森一徳です。
今回は、能登半島地震の被災地における「所有者不明空き家」が復興の妨げとなっているというニュースをもとに、「空き家問題」をご一緒に深掘りしていきたいと思います。
特に、80代の親を持つ40代の方──
「実家の将来」「相続後の管理」「自分たちの住まいとの距離」など、心に引っかかっているけれど、なかなか手を付けられないという方も多いのではないでしょうか。
けれど、空き家問題は“いざというとき”に始まるものではありません。
気づかないうちに始まり、放置され、そして深刻化していく。
そんな「静かなる家族のリスク」に、今から備えることこそが、本当の意味での“家族の防災対策”になるのです。
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【1. 所有者不明空き家──復興を妨げる現実】
令和6年の能登半島地震。
この災害で被害を受けた空き家のうち、少なくとも100棟以上が「所有者不明」の状態にあり、解体作業が大きく遅れていると報じられました。
空き家の解体には、基本的には所有者の申請が必要です。
ところが、相続が未登記のまま放置されていると、「誰が今の所有者か」が分からず、手続きが進まない。
さらには関係者の数が多すぎたり、連絡が取れなかったりで、解体どころか管理さえできないというケースが頻発しています。
このような事態に対処するため、令和5年4月から「所有者不明建物管理制度」がスタートしました。
自治体などの申し立てにより、裁判所が司法書士や弁護士などを「管理人」に選任し、建物の調査・管理・公費解体などを進めるという制度です。
ところが、輪島市では52棟のうち、裁判所に申し立てが行われたのは36棟。そのうち解体完了したのは、わずか4棟。
制度はあるものの、手続きの煩雑さ、関係者調査の手間などが足かせになり、実務上はなかなか進まないのが現状です。
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【2. 空き家問題──被災地だけの話ではありません】
今回のニュースは「被災地での空き家」に焦点が当たっていますが、実は空き家問題は全国的に深刻化しています。
総務省の調査によると、全国の空き家は過去30年でほぼ倍増。
現在では全国で900万戸を超え、総住宅数のうち実に「7戸に1戸」が空き家という異常事態です。
特に、相続が未登記のまま放置されている「所有者不明土地・建物」は全国で多数あり、地方部で深刻な社会問題となっています。
私の住む大阪府でも、都市部は比較的管理が進んでいる一方で、郊外では高齢の親が住む実家が「将来的に空き家化するリスク」を抱えたまま、何も対策がされていないご家庭が多くあります。
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【3. 80代の親、40代の子──“空き家予備軍”は今、身近にある】
ここで改めてお尋ねしたいのですが、
- あなたのご実家は誰の名義ですか?
- 相続について、ご兄弟姉妹と話し合ったことはありますか?
- 将来、誰がその家を管理・処分する予定でしょうか?
この問いにスムーズに答えられない方は、もしかすると「空き家予備軍」になっているかもしれません。
現場ではよくある話ですが、
「親の名義のままで放置していた」「兄弟姉妹で意見が割れ、話し合いがまとまらなかった」「誰も住まないまま何年も経ってしまった」──
このような経緯で空き家になるご家庭が非常に多いのです。
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【4. 法制度は整ってきた──でも“家族の合意”が必要】
2024年4月からは「相続登記の義務化」が始まり、3年以内の登記申請が求められるようになりました。
また前述の「所有者不明建物管理制度」や、特定空き家への勧告制度など、法制度は少しずつ進んでいます。
しかし、いくら制度が整っても、実際の相続手続きや不動産の管理・処分は「家族の合意」がないと進まないのが現実です。
家族間で「実家をどうするか」という話し合いがされないまま、親が亡くなり、結果的に名義があいまいなまま空き家になる──
これが、空き家問題の典型的なパターンです。
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【5. 司法書士が現場で感じる、3つの“つまずきポイント”】
私が日々ご相談を受ける中で、空き家問題につながりやすい“つまずきポイント”は次の3つです。
①【名義が親のまま】
固定資産税の通知が親の名前で届いていても、「自分たちが払っているから問題ない」と安心してしまう。
→ 実際は相続登記が必要です。将来トラブルの元に。
②【話し合いの先送り】
「まだ親が元気だから」「兄弟と関係がぎくしゃくするのが怖い」などの理由で、実家の将来について話し合えない。
→ 結果的に“先送り地獄”に陥りやすく、いざ相続となっても手続きが進みません。
③【情報の不透明さ】
親がどのような財産を持っているか、どのような意向を持っているかを子どもが把握していない。
→ 遺産分割協議や不動産の処分が難航する要因になります。
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【6. 今からできる、実家の“空き家化”を防ぐ4つのステップ】
では、「まだ親が元気」な今のうちに、私たちは何をしておくべきでしょうか?
以下の4つのステップをご提案します。
**① 名義確認から始める**
実家の登記簿謄本を司法書士に取り寄せてもらい、「誰の名義になっているか」を確認しましょう。
**② 家族で会話のきっかけを持つ**
「空き家のニュースを見たよ」「うちも何か対策が必要かな」といった軽い話題から、少しずつ家族で話せる場を作っていきましょう。
**③ 相続登記を早めに行う**
すでに親を亡くされた方は、今後の義務化に向けて相続登記を早めに進めることをおすすめします。
**④ 利活用や売却も含めた相談を**
将来的に住む予定がないなら、利活用や売却も視野に。その判断材料としても、今のうちに専門家へ相談を。
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【7. まとめ──“空き家問題”は、家族のつながりを守るチャンスにもなる】
空き家の問題は、単なる不動産管理の話ではありません。
それは「家族の未来の形」をどう描いていくかという、大切な課題です。
災害が起きてからでは遅い。
親が他界してからでは遅い。
“あのときちゃんと話しておけばよかった”と後悔しないように。
40代の私たち世代が今、実家のこれからを考え始めることが、
親を安心させ、兄弟姉妹との関係を守り、そして自分たちの負担を減らす最善の方法になるのです。
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【ご相談はお気軽に】
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