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遺言書のお話

2025年11月30日

相続争いの8割は“普通の家庭”で起こる? 〜80代の親を持つ40代・50代が今こそ始める「争族」回避の現実的な準備〜

※鶏のうまみ十分な鶏祐さんの醬油らーめん

相続争いの8割は“普通の家庭”で起こる?

〜80代の親を持つ40代・50代が今こそ始める「争族」回避の現実的な準備〜


 


【はじめに】


「うちは財産なんてほとんどないし、子どもたちも仲が良いから、相続で揉めるようなことはない」――そう信じて疑わないご家庭ほど、実は“争族”のリスクが潜んでいます。


統計によると、相続トラブルの約8割が遺産額5,000万円以下、さらに約3割が1,000万円以下の家庭で起きていることが明らかになっています。つまり、特別なお金持ちでなくても、相続は揉める。むしろ“普通の家庭”の方が準備をしていない分、揉めやすいとも言えるのです。


この記事では、司法書士として多数の相続案件に関わってきた経験をもとに、80代の親を持つ40代・50代の方に向けて、現実的かつ無理のない「争族を避ける準備」について解説いたします。




【1章:なぜ普通の家庭で相続争いが起きるのか】



「相続争い=資産家の話」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、家庭裁判所での遺産分割事件の大半は、資産額が5,000万円以下。中でも現金や預貯金よりも、不動産が絡む場合に揉める傾向が強く見られます。



理由のひとつは、不動産は「分けにくい」資産であるということ。例えば、実家を長男が引き継ぐことにした場合でも、他の兄弟姉妹との公平性の確保が難しくなります。また、「親の介護を担ってきたのは自分だから実家を相続すべきだ」と主張する人と、「家を売却して均等に分けるべき」と主張する他の相続人の間で、対立が起きやすくなります。



こうした事態は、親が元気なうちに「何を誰にどのように残すか」という意思表示をしていないことで、より深刻化してしまいます。





【2章:「突然」は思っているより早くやってくる】



親がまだ元気であれば、「今すぐ相続のことを話すのは気が引ける」「財産を狙っていると思われそうで言い出しにくい」と感じてしまう方も多いでしょう。



しかし、認知症や急な病気で判断能力を失ってしまえば、財産管理や遺産分割は一気に複雑になります。



● 認知症で銀行口座が凍結されたために生活費の引き出しができない

● 親が亡くなったあと、どこにどんな資産があるのか誰も把握していない

● 相続人の一部が「介護をした」「金銭援助を受けた」といった主張で揉める



こうした事態を避けるためには、「元気なうち」こそが最大のチャンス。冷静に、かつ建設的な話し合いができる時間を大切にしたいものです。





【3章:親子で備えるための3つのポイント】



では、相続で揉めないためには、具体的にどのような準備をしておけばよいのでしょうか?

司法書士としておすすめしたい3つのポイントをご紹介します。



① 資産の“見える化”



まずは親の財産状況をある程度共有しておくことが大切です。銀行口座・不動産・保険・借入金の有無など、ざっくりで構いません。家族で「財産一覧表」や「エンディングノート」を作成しておくと、いざというときに慌てずに済みます。



② 介護とお金の話をオープンに



「誰が介護するのか」「費用はどうするか」などを曖昧にしたまま介護が始まると、不満や誤解が生まれやすくなります。



たとえば、「自分の生活費から月にいくらまで援助できるか」「施設に入居する場合の希望」など、親子でお互いの立場を伝え合うことがトラブル回避につながります。



③ 遺言書の作成



遺言書は、相続トラブルを防ぐ最も効果的な手段のひとつです。特に不動産がある場合や、兄弟姉妹の人数が多い場合は、遺言があるかないかで分割協議の難易度が大きく変わります。



公正証書遺言であれば、法的な効力も強く、安心です。また、何度でも書き直しが可能なので、「今はまだ早い」と思わずに、一度作ってみることをおすすめします。





【4章:親とお金の話をするための“言い出し方”】



「親と財産の話をするのは気まずい」と感じる方も多いと思います。



そんなときは、自分のことから話し始めるのが効果的です。



たとえば、

「自分も来年定年で退職金が入る予定なんだけど…」

「もし自分に万が一のことがあったら、家族が困らないようにしようと思って…」

と、自分のライフイベントをきっかけにして話を始めると、親も耳を傾けやすくなります。



また、「最近こういうことで揉めた人がいてね」と、身近なニュースやテレビ番組を話題にするのも自然な導入になります。





【5章:争族を防ぐための相談先を活用しよう】



相続や介護の話は、一家族だけで解決しようとせず、第三者の力を借りることも大切です。



● 司法書士や弁護士への生前対策の相談

● ケアマネージャーや地域包括支援センターへの介護相談

● 家庭裁判所を通じた成年後見制度の利用



「まだ元気なのに…」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、備えが早すぎるということはありません。逆に、ギリギリになってからでは選択肢が限られてしまいます。





【おわりに】



相続は「お金の話」であると同時に、「家族の話」でもあります。



大切なのは、資産の大小ではなく、家族が気持ちよく未来を迎えられる準備ができているかどうかです。



司法書士しげもり法務事務所では、親御さんとの話し合いの場に専門家として同席する「家族会議サポート」も行っております。



「どう話を切り出せばいいかわからない」「親が耳を貸してくれない」――そんなお悩みも、お気軽にご相談ください。



“争族”を防ぐ第一歩は、あなたの小さな一言から始まります。



──

司法書士しげもり法務事務所

繁森 一徳(しげもり かずのり)



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