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遺言書のお話

2026年01月18日

事実婚の相手に相続権はある?遺言書がないとどうなる?司法書士が解説

大阪の遺言書作成サポート司法書士ゆいごんのしげもり

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事実婚の相手に相続権はある?遺言書がないとどうなる?司法書士が解説


 


【はじめに:事実婚と相続という、現代的な課題】

2024年1月16日、大阪高裁で「事実婚の配偶者に相続権を認めない」という判決が下されました。

この判決は、今後の相続実務に大きな影響を与えるものとして、法律実務家の間でも注目されています。


しかし、こうしたニュースを見て「うちは関係ない」と思ってしまう方も多いかもしれません。

特に、今40〜50代の方にとっては「自分の親や家族には関係ない話だ」と感じるかもしれませんが、実はこれは他人事ではありません。


・親が再婚せずにパートナーと暮らしている

・兄弟姉妹で介護や財産の分担を話し合うことが増えてきた

・自分たちの世代でも法律婚ではないパートナーと暮らす人が増えている


そうした背景のなかで、「事実婚の相手は遺産を相続できるのか?」という問題は、今後ますます身近なテーマになるはずです。


 


【事件の概要:夫婦別姓を望んだ夫婦と、認められなかった相続権】

事件の舞台は、がんで亡くなった大学教授の女性と、そのパートナー。

1991年から事実婚の関係を続けてきたこの夫婦は、夫婦別姓を望んだために婚姻届を提出せず、内縁関係を選択しました。


女性は2020年に膵臓がんと診断され、2021年に亡くなりました。

その後、彼女の妹が「兄(=事実婚の夫)が姉の口座から1750万円を不当に引き出した」として訴訟を提起。


夫側は「自筆の遺言書に、預金を自分と妹に半分ずつ分けると書かれていた」と主張しましたが、その文書には遺言としての法的要件(署名・押印など)が不足していたため、裁判所はこれを無効と判断しました。


その結果、事実婚の夫には法定相続権がないとされ、妹の請求通りに全額返還が命じられたのです。


 


【法律婚と事実婚の違いとは?】

そもそも、「法律婚」と「事実婚」は何が違うのでしょうか?


■法律婚

婚姻届を市区町村に提出し、受理された婚姻。戸籍上も夫婦となり、民法上の権利義務が発生する。


■事実婚

一緒に暮らし、生活を共にしていても、婚姻届を出していない関係。いわゆる「内縁関係」とも言われる。


事実婚にも一定の法的保護はあります。

たとえば、内縁関係でも生活費の分担や、別れる際の慰謝料請求、事実婚解消時の財産分与などが認められるケースもあります。


しかし、「相続」については別です。

法律婚の配偶者は、法律上の相続人として第1順位に該当しますが、事実婚の配偶者には法定相続権がありません。


そのため、どれほど長く共に暮らしていても、法律的には「他人」として扱われてしまうのです。


 


【遺言書があればすべて解決できたのか?】

今回の事件でも、自筆の遺言書があったとされています。

では、なぜそれで遺産を受け取れなかったのでしょうか?


理由は「形式不備」です。

日本の法律では、自筆証書遺言には以下の3点が必要とされています:




  1. 全文が自筆であること



  2. 日付が明記されていること



  3. 署名・押印があること




これらが一つでも欠けると、遺言書としての効力が認められません。



さらに、「具体的に何を誰に相続させるか」も明確に記す必要があります。

今回の遺言は、この要件を満たしていなかったため、裁判所は無効と判断しました。



逆にいえば、正しい形式で遺言書を残していれば、事実婚のパートナーにも財産を遺すことは可能です。



 



【高齢の親が内縁関係にある場合の備え】

私が日頃ご相談を受けている中でも、「父が再婚せずに女性と暮らしている」「母が長年一緒に住んでいる男性がいる」というケースは少なくありません。



このような関係性は、本人たちの意志を尊重するべきである一方で、法律的には極めて不安定な立場に置かれます。



■よくあるご相談とリスク

・パートナーが介護していたのに、亡くなったとたん相続権がなく住まいを追い出されそうになった

・親の死後、兄弟間で「誰がどれだけ世話をしたか」で揉めてしまった

・パートナーが親の預金を引き出していたことが発覚し、法的トラブルに



こうしたトラブルを防ぐためには、事前に次のような準備が大切です:



・法的要件を満たす遺言書を作成する(公正証書遺言がおすすめ)

・遺言執行者を指定しておく

・誰に何を遺すかを具体的に記しておく

・信頼できる専門家に相談する



 



【私たちにできること――安心の終活支援を】

司法書士として、私が何よりも大切にしているのは「その人の想いを、法的に守ること」です。

どれだけ長年連れ添っても、法律に則った備えがなければ、大切な人に財産を遺すことができない。

これはとても悲しい現実です。



ですが、逆に言えば、正しい備えをすれば、法的に守ることは可能です。



・家族構成が複雑になってきた

・再婚や事実婚をしている親がいる

・兄弟で介護や相続について揉めたくない



そうした想いを持つ40〜50代の皆さまにこそ、今こそ「親の終活」について前向きに話し合い、備えることをおすすめします。



 



【まとめ:相続は“気持ち”ではなく“法律”で決まる】

今回の大阪高裁の判決は、家族の関係性が多様化する現代社会において、いかに法律の備えが重要かを教えてくれています。



家族のかたちがどうであれ、大切な人の想いを守るためには、法的な手続きと備えが必要です。

相続は、「想いのバトン」を未来へとつなぐ行為でもあります。



「うちは大丈夫かな?」「親のことが少し心配だな」

そう思った方は、どうぞお気軽にご相談ください。



地域に根ざした司法書士として、ご家族一人ひとりの想いに寄り添いながら、安心の相続・終活サポートをご提供いたします。



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司法書士しげもり法務事務所

代表司法書士 繁森 一徳(大阪市)

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