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80代の親を持つ40代へ――相続は「亡くなってから」では遅い?司法書士が語る“準備が10割”の本当の意味
2026年2月13日に掲載された記事で、2025年に出版された
『相続家族会議のすすめ: 安心と信頼の遺産相続は「事前準備」が10割』
(藤本律夫/LIFEGroup編集)に関するインタビューが紹介されていました。
記事の中で印象的だったのは、
「相続は“亡くなってから考えるもの”ではない」
という専門家の言葉です。
私は日々、相続の現場に立つ司法書士として、この言葉に強く共感しました。
◆ 80代の親を持つ40代が直面する現実
大阪でも、80代の親御さんを持つ40代・50代のご相談が増えています。
・まだ元気だから大丈夫
・相続の話は縁起が悪い
・兄弟で揉めることはないはず
そう思っているうちに、
「突然の入院」
「認知症の進行」
「急な相続発生」
という事態を迎えるケースは少なくありません。
相続は亡くなった瞬間に自動的に始まります。
しかし、その時点ではできることが限られているのです。
◆ なぜ“準備が10割”なのか?
記事では「相続前アクション十か条」が紹介されていました。
私の実務経験からも、特に重要なのは次の3つです。
① 財産の見える化
② 不動産の方針決定
③ 家族での事前共有
相続トラブルの多くは、
「何がどれだけあるのかわからない」
という状態から始まります。
通帳の場所がわからない。
使っていない土地の存在を知らなかった。
誰が管理しているのか不明。
これだけで、家族間に不信感が生まれてしまいます。
◆ 不動産は“共有”が正解とは限らない
大阪市内でもよくあるのが、
「とりあえず共有名義にしておく」
という選択です。
しかし共有は、
・売却できない
・管理負担が偏る
・次世代でさらに複雑化する
という問題を生みやすい方法でもあります。
大切なのは「どう分けるか」よりも、
「どう引き継ぎたいか」を先に考えることです。
◆ 相続家族会議は“結論”を出す場ではない
相続はお金の問題であると同時に、
感情の問題でもあります。
・介護を担った人の想い
・実家に住み続けたい人の気持ち
・遠方で関われなかった後ろめたさ
数字だけで話を進めると、必ず歪みが生まれます。
家族会議は、
「答えを出す場」ではなく
「気持ちを共有する場」です。
これだけで、相続後の空気はまったく違ってきます。
◆ 司法書士としてお伝えしたいこと
私はこれまで多くの相続手続きを担当してきましたが、
正直に申し上げて、
「あと3年早ければ…」
「せめて認知症になる前に…」
と思うケースが本当に多いのです。
親御さんが元気な今こそ、
最大の準備期間です。
相続対策は、
財産が多い人のためのものではありません。
家族関係を守るための準備です。
◆ 今日できる“最初の一歩”
完璧を目指す必要はありません。
まずは、
・親の財産をざっくり書き出してみる
・不動産の名義を確認する
・「これからどうしたい?」と一度聞いてみる
それだけで十分です。
相続は、家族を壊す出来事ではありません。
準備をすれば、信頼を引き継ぐ機会になります。
80代の親を持つ40代の皆さまへ。
「まだ早い」ではなく、
「今だからできる」準備を。
それが、未来のご自身とご家族を守る一番の方法です。