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【大阪市】遺言と生前贈与はどちらが優先?司法書士が実例で解説する相続トラブル対策
大阪市内で実際に起きた「遺言と生前贈与の矛盾」トラブル
大阪市で相続のご相談を受けていると、近年特に増えているのが「遺言」と「生前贈与」の内容が食い違っていることによるトラブルです。ご本人としては良かれと思って行った生前対策であっても、最終的に残されたご家族の間で深刻な対立を生んでしまうケースは少なくありません。実際に大阪市内で起きた事例をもとに、どのような問題が発生するのか、そしてどうすれば防げるのかを司法書士の視点から解説します。
ある大阪市内の事例では、父親が長男に対して自宅不動産を生前贈与していました。贈与契約書も作成し、所有権移転登記も済ませていたため、法的には完全に長男の名義となっていました。しかし、その数年後に作成された遺言書には「自宅不動産は長男に相続させる」と記載されていました。一見すると同じ内容のように思えますが、問題は他の相続人である次男と長女の存在です。
遺言書では、預貯金については次男と長女に平等に分ける内容となっていましたが、不動産はすでに生前贈与で長男のものになっています。その結果、相続開始時点では「不動産は遺産に含まれない」という状況となり、預貯金のみが分割対象となりました。次男と長女からすると「実質的に長男だけが大きな財産を取得している」という不満が生じ、遺留分侵害額請求の問題へと発展しました。
このように、生前贈与と遺言の内容が整合していない場合、相続人間の公平感が損なわれ、紛争につながる可能性が高まります。大阪市内は不動産価格が比較的高いエリアも多く、不動産一つの価値が大きいため、トラブルがより深刻化しやすい傾向にあります。特に自宅や収益物件などの評価額が高い場合、他の相続人の遺留分を侵害する可能性が高まります。
遺言と生前贈与のどちらが優先されるのかという質問をよく受けますが、すでに完了している生前贈与は、原則として有効です。つまり、贈与によって移転した財産は、相続開始時には被相続人の財産ではありません。そのため、遺言で同じ財産について言及していても、法的には意味を持たないことになります。この点を理解せずに遺言書を作成してしまうと、「遺言に書いてあるから大丈夫」と思っていた内容が実際には機能しないという事態になりかねません。
また、生前贈与は遺留分算定の基礎財産に含まれる場合があります。特に相続開始前10年以内に相続人に対して行われた贈与は、遺留分計算の対象となります。そのため、大阪市でよくあるケースとして、数年前に行った不動産贈与が原因で、相続開始後に遺留分侵害額請求を受けるという事態が発生しています。長男としては正式に贈与を受けているという認識でも、他の相続人からすれば「取り分が侵害された」と感じるのです。
では、どのような点に注意すればよいのでしょうか。まず重要なのは、生前贈与と遺言を別々に考えないことです。生前贈与を行うのであれば、その内容を前提とした遺言書を作成する必要があります。すでに贈与した財産については遺言で改めて触れる必要はありませんが、他の相続人とのバランスをどう取るのかを明確にしておくことが重要です。
例えば、自宅不動産を長男に生前贈与するのであれば、遺言では「その分を考慮して預貯金は次男と長女に多めに配分する」といった配慮が考えられます。また、「生前贈与分を特別受益として持ち戻すのかどうか」についても、意思表示を明確にしておくことで紛争を防ぎやすくなります。
大阪市全域で共通して言えることは、不動産が絡む相続は複雑になりやすいという点です。都市部では土地建物の評価額が高く、分割も容易ではありません。共有名義にしてしまうと将来さらに問題が拡大することもあります。そのため、生前贈与を活用すること自体は有効な相続対策となり得ますが、全体設計を誤ると逆効果になる可能性があります。
生前贈与のメリットとしては、早期に財産を移転できること、相続発生後の手続きを簡略化できること、場合によっては相続税対策につながることなどが挙げられます。一方で、贈与税の問題や、他の相続人との不公平感、遺留分侵害のリスクなどのデメリットも存在します。遺言書は最終意思を示す重要な書面ですが、生前贈与との整合性が取れていなければ十分に機能しません。
まとめとして、大阪市で遺言と生前贈与を検討している方にお伝えしたいのは、「部分最適ではなく全体最適を考える」ということです。目の前の対策だけでなく、相続開始後にどのような分配になるのかを具体的にシミュレーションすることが重要です。家族構成や財産内容、不動産の評価額などを踏まえたうえで、総合的に設計する必要があります。
司法書士に相談するメリットは、登記手続きだけでなく、遺言書作成支援や生前贈与契約書の作成、相続発生後の手続きまで一貫してサポートできる点にあります。特に大阪市内の不動産事情や実務運用を踏まえた具体的なアドバイスが可能です。トラブルが起きてからではなく、対策段階で専門家に相談することで、ご家族の将来の安心につながります。
遺言と生前贈与は、どちらも有効な相続対策です。しかし、両者が矛盾してしまえば、かえって争いの火種になります。大阪市で相続対策をお考えの方は、ぜひ一度、全体のバランスを見直してみてください。適切な設計により、ご本人の意思を確実に実現し、ご家族の円満な相続を守ることができるのです。