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遺言書のお話

2026年03月12日

成年後見制度は「やめられない」?認知症の親を持つ40代が知っておくべき真実と対策

はじめに:成年後見制度の利用者が直面する現実

80代の親を持つ40代のあなた。もし親が認知症になったら、財産管理はどうしますか?多くの方が「成年後見制度があるから大丈夫」と思われるかもしれません。

しかし実際には、この制度を利用した家族から「こんなはずじゃなかった」「やめたいのにやめられない」という悲痛な声が上がっています。

本記事では、相続・遺言専門の司法書士の視点から、成年後見制度の実態と、80代の親を持つ40代の方が今知っておくべき対策について、わかりやすく解説します。


1. 成年後見制度とは?基本のおさらい

成年後見制度の目的と仕組み

成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方の財産や権利を守るための制度です。家庭裁判所が選任した後見人が、本人に代わって財産管理や契約行為を行います。

制度を使うべきケース

銀行口座が凍結され、親の医療費や施設費用が支払えない
不動産の売却が必要だが、親の判断能力が不十分
遺産分割協議に参加できない相続人がいる

こうした場面では、成年後見制度が必要不可欠です。


2. 成年後見制度の「やめられない問題」とは

一度始めたら終身制:途中でやめられない現実

成年後見制度の最大の問題点は、原則として「本人が亡くなるまで続く」ことです。たとえ家族が「もう必要ない」と思っても、家庭裁判所の許可なく終了することはできません。

専門家後見人への報酬負担が一生続く

家族が後見人になれず、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれた場合、月額2万円から6万円の報酬が発生します。これが10年続けば240万円から720万円、20年なら480万円から1,440万円もの負担になります。

財産管理の自由度が極端に低下

後見人は「本人の利益保護」を最優先します。そのため:

孫への教育資金援助ができない
自宅のバリアフリーリフォームが認められない
家族の生活費としての支出が制限される
相続税対策のための贈与ができない

「親の財産なのに、家族が自由に使えない」というジレンマが生じます。


3. 実際にあった家族の悲痛な事例

ケース1:リフォーム費用が認められなかった家族

80代の母親が認知症となり、専門家が後見人に。50代の息子は母親を自宅で介護するため、バリアフリーリフォーム(300万円)を希望しましたが、「本人の財産保全」を理由に却下されました。結果、施設入所を余儀なくされ、家族の希望は叶いませんでした。

ケース2:孫の教育資金援助ができなかった祖父母

祖父が生前、孫の大学進学を楽しみにしており、教育資金を援助する予定でした。しかし認知症発症後、後見人が選任され、「本人の生活に直接関係ない支出」として援助が認められませんでした。


4. 2026年法改正で何が変わる?最新動向

終身制から「必要な期間だけ」利用できる制度へ

法務省は2026年の民法改正を目指し、成年後見制度の抜本的見直しを進めています。主なポイントは:

利用期間の限定化:必要な期間だけ利用し、終了できる仕組み
家族後見の促進:専門家に頼らず、家族が後見人になりやすく
柔軟な財産管理:本人の意思や生活の質を重視した運用

この改正により、利用者の選択肢が大きく広がることが期待されています。


5. 成年後見制度を使わない選択肢:任意後見制度

任意後見制度とは

任意後見制度は、本人の判断能力があるうちに、将来に備えて後見人を選び、契約内容を決めておく制度です。

任意後見制度のメリット

後見人を自分で選べる:信頼できる家族や知人を指名可能
契約内容を自由に設計:財産管理の範囲や方法を柔軟に決定
本人の意思を尊重:生前の希望に沿った支援が可能

任意後見制度の注意点

本人の判断能力があるうちに契約が必要
公正証書での契約が必須
任意後見監督人への報酬(月1から3万円)が発生


6. もう一つの選択肢:家族信託とは

家族信託の仕組み

家族信託は、財産を信頼できる家族に託し、管理・運用してもらう仕組みです。後見制度を使わずに、柔軟な財産管理が実現できます。

家族信託のメリット

柔軟な財産管理:リフォーム、相続税対策、孫への援助も可能
認知症対策に有効:判断能力低下後も財産が凍結されない
コストが抑えられる:継続的な報酬負担がない

家族信託の注意点

初期費用(契約書作成、登記費用など)がかかる
身上監護(介護施設との契約など)には別途対応が必要
受託者となる家族の負担が大きい


7. 40代の今、親のためにできること

親が元気なうちに話し合いを

「縁起でもない」と思わず、親の判断能力があるうちに将来のことを話し合いましょう。選択肢は多いほど良いのです。

専門家に相談するタイミング

親が75歳を超えたら
物忘れが目立ち始めたら
相続や財産管理について不安を感じたら

早めの相談が、将来の選択肢を広げます。

必要な準備と書類

財産目録の作成(不動産、預金、有価証券など)
エンディングノートの活用
遺言書の作成検討
任意後見契約または家族信託の検討


8. 専門家の選び方:司法書士・弁護士・税理士

相続・遺言専門の司法書士に相談するメリット

登記手続きから財産管理まで一貫サポート
費用が比較的リーズナブル
地域密着で親身な対応

複雑なケースは弁護士へ

親族間に争いがある
訴訟の可能性がある
複雑な法的問題が絡む

相続税対策は税理士と連携

相続税の試算
節税対策の提案
税務申告のサポート


9. よくある質問(FAQ)

Q1. 成年後見制度は必ず専門家が後見人になるのですか?

いいえ。家族が後見人になることも可能です。ただし、財産額が多い場合や親族間に争いがある場合は、専門家が選ばれることが多いです。

Q2. 任意後見と家族信託、どちらがおすすめですか?

ケースによります。身上監護(介護や医療の契約)も必要なら任意後見、財産管理の柔軟性を重視するなら家族信託がおすすめです。併用も可能です。

Q3. 今から対策するのに費用はどれくらいかかりますか?

任意後見契約:公正証書作成費用で約10から15万円
家族信託:契約書作成、登記費用で約30から50万円
専門家への相談料:初回無料から1時間1万円程度


10. まとめ:後悔しないための今日からできる3つのアクション

アクション1:親と将来について話し合う

まずは親の意思を確認することから始めましょう。「もしものとき、どうしてほしいか」を聞くだけでも大きな一歩です。

アクション2:専門家に相談する

一人で悩まず、相続・遺言に詳しい司法書士や弁護士に相談しましょう。初回相談無料の事務所も多くあります。

アクション3:財産状況を把握する

親の財産(不動産、預金、保険など)を整理し、将来必要な対策を検討しましょう。


おわりに:家族の幸せを守るために

成年後見制度は、認知症の方を守るための大切な制度です。しかし「やめられない」「自由がきかない」という課題があるのも事実です。

大切なのは、制度の限界を知り、他の選択肢も検討すること。そして何より、親が元気なうちに準備を始めることです。

80代の親を持つ40代のあなたには、まだ時間があります。後悔のない選択をするために、今日から一歩を踏み出してみませんか?

ご家族の幸せな未来のために、私たち専門家がお手伝いします。

参考記事:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f2184e66e2889046cae0d1c29892f1fcdbc5de54


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